第7章

方針を変えることにした。

直接的な抵抗は、虫どもの監視を強めさせるだけで、もっと厳しい罰を招くかもしれない。

脱出の機会を掴むには、まず奴らの信頼を得なければ。

早朝、私は虫どもが好むやり方を真似て、畳の上に正座した。両手を膝に置き、完璧な和式の座り方だ。

カギリが朝食を持って入ってきた時、私はわずかに首を傾げ、ゆっくりと食事を始めた。奴らが期待する『古き日本の女性』そのもののように。

カギリの頭にある金属の触角飾りが微かに揺れる。私の変化に気づいたのだとわかった。

その複眼が明滅し、私の行動の真偽を分析しているようだ。

「今日、静か。良い適応」

カギリは例の...

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