第4章 真の救世主

神殿の裏庭の朝陽の中、私は一人、白い石舞台の上で聖光術の練習をしていた。

昨夜のレオットの言葉が、まだ頭の中で響いている。

正直に言えば、彼の瞳に未練が宿っているのがはっきりと見えた。

三年間も共に生活したのだから、どれだけ冷酷な人間でも、少しは感情が芽生えるはずだ

「精神を集中させ、聖光の流れを感じるんだ……」

私はレオットの口調を真似ながら、手の中に微かな光を凝縮させた。

その時だった。空から突如、耳を聾するほどの轟音が響き渡った。

見上げた私は、その場で呆然と立ち尽くす。

空が、完全に引き裂かれていた。

直径数十メートルにも及ぶ金色の裂け目が神殿の上...

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