第7章 犠牲と再生
聖光祭の朝。神殿の広場は、黒山の人だかりで埋め尽くされていた。
私は鏡の前に立ち、純白の祭祀服に身を包んだ自分を見つめる。
窓辺では、レオットが贈ってくれた風鈴が、ちりんと軽やかな音を立てて揺れていた。
「皮肉なものね……」
私は自嘲気味に笑う。
「最後の日だっていうのに、こんなに神聖な格好をさせられるなんて」
コンコン、と扉がノックされる。
「桐原様、間もなく儀式が始まります」
侍女の声には、恭しい響きの中にどこか同情の色が滲んでいた。
私は三年間暮らしたこの部屋を最後にもう一度だけ見渡し、そして、決意を固めて扉を押し開けた。
神殿の広場には、聖光城の全...
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チャプター
1. 第1章 異世界の召喚
2. 第2章 偽りの救世主
3. 第3章 一緒にいた三年間
4. 第4章 真の救世主

5. 第5章 犠牲の決断

6. 第6章 最後の別れ

7. 第7章 犠牲と再生

8. 第8章 レオットの崩壊

9. 第9章 新しい世界との出会いと庇護

10. 第10章 最終対峙


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