第8章 レオットの崩壊

時空の裂け目が閉じた瞬間、神殿全体が死寂に包まれた。

「レオット?」

一人の長老が恐る恐る近づいた。

「今のは……」

「失せろ!」

レオットは勢いよく立ち上がった。

「全員、ここから出ていけ!」

彼の咆哮が広場に響き渡り、その突然の激昂に誰もが度肝を抜かれた。

エリシアは高台に立ち、完全な聖なる光の力をその身に纏い、かつてないほど眩しく輝いていた。

だが、その表情は申し訳なさそうな色に満ちており、神の力を手に入れた喜悦など微塵も感じられない。

神官、貴族、平民、皆がこの歴史的な瞬間を祝って歓声を上げていた。

しかし、レオットは未だかつてないほどの虚無感を...

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