第5章
翌日、私は真一を青川学院大学近くのコーヒーショップに呼び出した。彼の若く、太陽のような笑顔を見ていると、胸をナイフでえぐられるようだった。
「梨絵、今日、顔色悪いよ。まだ叔父さんと叔母さんのことで落ち込んでるのか?」
彼は心配そうに私の手を握った。
二十二歳の真一の瞳には、まだ若者らしい無邪気さと未来への希望が満ち溢れていた。彼には、私がこれから私たちの愛を自らの手で壊そうとしていることなど、知る由もなかった。
「真一、話があるの」
私は平静を装うのに必死だった。
「何の話?」
彼は緊張した面持ちになった。
「私たちの関係について」私は深呼吸をして、人生で最も残酷な...
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チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章

6. 第6章

7. 第7章

8. 第8章


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