第8章

「だが、今日」真一の声は力強く、確固たるものになった。「25歳の佐藤真一が、本物の男に成長したと、世界に伝えたい!」

会場は割れんばかりの拍手に包まれた。

「俺には、愛する人に最高の人生を与える力がある。どんな危害からも彼女を守り抜く力がある。彼女を、世界で一番幸せな女性にする力がある!」

もう、涙が止まらなかった。

真一は突然片膝をつき、ジャケットからあのベルベットの箱を取り出した。25カラットのピンクダイヤモンドがスポットライトを浴びて煌めくと、アリーナ全体が私の心臓の音しか聞こえないほど静まり返った。

「鈴木梨絵さん」真一の声がマイクを通して世界中に響き渡る。「あなたが...

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