第42章

静寂の中、片嶋喜春はゆっくりと星野星から手を放し、彼女の白い首筋をじっくりと見つめた。

本来なら無礼な視線のはずなのに、彼の眼差しは澄み切って純粋だった。

そこにあるのは純然たる賞賛だけ。

「ネックレス、君によく似合うね」

星野星は微笑んだ。「あなたのデザインがいいから」

片嶋喜春はのろのろと頷いた。「私のデザインは確かに唯一無二だけど、それに相応しい人がいてこそ、この宝物が無駄にならないんだ」

二人の会話に、周りの人々は霧の中から徐々に真相を悟っていった。

佐藤義哉は後ろに立ったまま、顔が曇り、とうとう我慢できずに前に出て星野星を片嶋喜春の側から引き離した。

「話すだけなら...

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