第二七章

ニコル

昨日は面白い一日だった。ドレスを二着も選ぶなんて、自分でもまだ信じられない。今、美容院に向かっているところ。カラーとカットとブロードライをしてもらって、それから恋のキューピッド役をやってみようと思っている。

ヘアサロンに足を踏み入れると、ホセがこちらに歩み寄ってきた。「ニコル、僕のお気に入りのクライアントじゃないか! 元気かい、マイディア?」

「ホセ、会えて嬉しいわ。ええ、元気よ、ありがとう」

「おいで、おいで。今日は髪をどうしようか」

「少しだけカラーを入れて、毛先をちょっとカットして、ブロードライをお願いできるかしら」

「もちろんさ、マイディア。それで、金曜日は?」

「ガーラのた...

ログインして続きを読む