第105章

桜は頭を振り、すぐに自分の恐ろしい考えを否定した。

藤原司が自分のためにやっているというよりも、小林隼人を刺激するためにやっていると言った方が説得力がある。前回の藤原家の実家での経験からも、藤原司が小林隼人という甥をあまり好んでいないことがわかる。

祝賀会は星海ホテルで行われた。

「今回の秋のモーターショーの成功を祝して!」

「乾杯!」

広々としたホテルの北ホールでは、グラスが交わされ、笑い声が響いていた。

佐藤桜のように、ただ食事をして顔を出すだけの人もいれば、この機会に人脈を広げようとする人も多かった。

食事会が終わらないうちに、何人かのモデルがその場にいる社長たちの膝に座...

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