第116章

「この女、マジでスタイルいいな。顔も見てみたい!」

桜は心の中で驚き、唇が動くのを忘れてしまった。

同時に、彼女が隠している男の気配が微妙に変わったのを感じた。二重の服越しに触れた筋肉が緊張し、今にも動き出しそうだった。

「何見てんだよ!早く探せ、さもないとボスに殺されるぞ!」

「わかった、わかった!」

「近くに血の匂いがする。Dは遠くに行ってないはずだ。お前らは外を探せ。お前らは中を続けて探せ。病院の人には気づかれないようにしろ!」

「了解!」

二秒も経たないうちに、男たちは消え去った。

桜は長い息を吐き出し、初めてのこんなことに体が震え、階段の手すりに寄りかかってやっと立...

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