第132章

ただ、彼の今の体調では無理だった。

桜はベッドの端に手をつき、大きく息をつきながら振り返ると、驚いたことにブラインドが完全に閉まっていなかった。

外には、白井静が目を輝かせてゴシップ好きな顔で彼女を見ていた。二人の視線が交わると、白井静はウインクまでしてきた!

なんてこと!これからどうやって白井医師の顔を見ればいいの!

寝る時間になり、桜は藤原司に言って病室を出た。

「どこへ行くんだ?」男が後ろから声をかけた。

「寝るのよ」

「ここで寝ろ」藤原司は隣の空いたスペースを指し示した。

VIP病室のベッドは広く、二人で寝るのに十分な大きさだった。

「え?」桜は一瞬戸惑ったが、すぐ...

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