第174章

藤原司の目は佐藤桜に向けられていた。ステージ上のことなど見ていない。

あのビデオに何が映っているか、彼はよく知っていた。それは家庭会議の間に藤原華のビデオとすり替えたものだった。

「隼人、兄弟として言わせてもらうけど、結婚は墓だよ。なんで自分から進んで埋まりに行くんだ?」

——ビデオの中の会話がスピーカーを通して大きく流れた。

「誰が墓に行くって言ったんだ?」小林隼人は腕に抱えた涼しげな服を着たモデルにキスをした。

このパーティーは乱れていた。小林隼人は酒に酔い、モデルの服をその場で脱がせ、顔を近づけて吸い込んだ。

モデルは恥ずかしそうに小林隼人を叱り、周りの若様たちは騒ぎ立てた...

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