第188章

佐藤桜はこんな私生児でも名家に入れるなんて、入っても使用人として扱われるに決まっている!

夜になった。

選手たちはそれぞれ自分の部屋に戻った。

桜がベッドに横になってしばらくすると、突然携帯が震え、藤原司からのメッセージが届いた

【窓を開けろ】

桜はびっくりしてベッドから飛び起き、窓へ駆け寄って開けた。

藤原司は片足を雨どいに、もう片足を外壁の出っ張りに乗せ、窓枠の端に手をかけたまま、相変わらず端正な顔立ちだった。

「藤原司、あなた狂ってるわ!ここ二階よ、落ちたらどうするの?!」

桜は慌てて彼を引き入れようとした。

落ちる?

フリークライミングのような極限スポーツなら、...

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