第20章

でも、彼女はそうするしかなかった!

田中清美は心の中で誓った。今度こそ、この小娘を絶対に潰してやると。

……

田中清美が何か企んでいるかもしれないので、桜は直接会わずに、解約書にサインして郵送してもらうことにした。

田中清美の直筆サインと青木株式会社の印が押された解約書を手にしたとき、桜はようやく安心した。

部屋の中で飛び跳ねたい気持ちを抑えながら、心は喜びでいっぱいだった。

これで会社の制約や搾取から解放され、自分の夢に向かって努力できる。早くデビューしてお金を稼ぎ、弟を一人で育てることもできる。

桜は解約書の写真を撮って、親友の伊藤香に送った。

伊藤香は伊藤家の令嬢で、か...

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