第207章

メーターの料金はすでに16万円以上に跳ね上がっていた。

運転手は後部座席の乗客の服装を見て、バッグもなく、スカートにポケットもなく、携帯電話も持っていない様子に気づいた。どうやって支払うつもりだろう?

「お嬢さん、この先で降りてもらえませんか?私もこれから営業しないといけないんで」運転手は彼女が気の毒そうに見えたので、料金を請求する気もなくなったが、これ以上無料送迎を続けるわけにもいかない。損してしまう!

桜は数秒間呆然としたあと、ようやく運転手の意図を理解し、手首から外したブレスレットを運転手に差し出した。「運転手さん、このブレスレットはプラチナで、このダイヤモンドも本物...

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