第49章

藤原司はソファの背もたれに半身を預け、淡々と言った。「佐藤美咲さん、言葉を慎んでください。私はあなたに興味はありません」

「あなた……」佐藤美咲の顔色が一変し、慌てて小林隼人に弁解した。「昨日、確かに桜に会いに行ったけど、それはただの冗談で、彼ら夫婦が本当にお互いを信じているか試したかっただけなの」

「桜が危うく大変なことになるところだったんだ！」小林隼人は佐藤桜の腕の傷を見て、怒りに燃えた。

もし藤原司が間に合わなかったら、佐藤桜は今頃大蛇の餌食になっていたかもしれない。

「桜、お姉ちゃんは本当にわざとじゃなかったの。小さい頃からずっとあなたを守ってきたんだから、信じてくれるよね？...