第73章

「もう二十歳だよ、未成年じゃない」と桜は困ったように言った。「本当に中に住んでるんだよ。信じられないなら林田さんに電話してみて」

この言葉を桜は何十回も繰り返した。

警備員は夜の八時になってようやく折れた。「わかったよ、そんなに可哀想な顔しないで。電話してやるよ!まったく、死ぬまで諦めないな」

電話が繋がると、警備員の顔に浮かんでいた嫌悪感が一瞬で消え、受話器を持ちながら何度も頷いた。「はい、はい、わかりました!」

他の三人の警備員は、微胖の警備員を疑わしげに見つめた。

「奥様、本当に申し訳ありませんでした。私たちの目が節穴でした。決してあなたを狙ったわけではありません!」少し太っ...

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