第98章

「桜、来月の初めに隼人と婚約パーティーを開くんだけど、来てくれるよね?」佐藤美咲はわざとらしく恥ずかしそうに言った。「隼人が最高の婚約パーティーを用意してくれるって言ってたから、準備に少し時間がかかるの。見て、これが彼が私のために用意してくれた指輪よ。私が大好きなミランのデザイナーにデザインしてもらったの」

佐藤美咲は右手を差し出し、その中指には7カラットのダイヤモンドリングが輝いていた。デザインもダイヤの純度も一級品だった。

しかし、佐藤桜の婚約指輪と比べると、価値は全く及ばなかった。

「美咲さん、佐藤桜は私の兄が好きなんだから、あなたと兄の婚約パーティーに来るわけないでしょ?もし彼...

ログインして続きを読む