チャプター 50

シルヴィ

眠りに落ちた記憶がないから、自分でベッドに入ったんじゃないってことはわかっていた。自分の部屋にいるんだから、あたしをここに運んだのはグーフだってことも。いつだってグーフだ。彼がどうやってまだこんなあたしを抱き上げられるのか不思議でたまらないけど、数ヶ月前に、担がれることについて彼と口論するのはもうやめようって決めた。毎回あたしが負けるから。一度、あたしを抱きしめるのが好きだから運ぶんだって言われたことがある。ほら、これでどうしてあたしが言い負かされたかわかるでしょ。寝返りを打ってグーフのいるはずのベッドの片側を見ると、そこはもぬけの殻だった。手を置いてみると、シーツは冷たい。問題は...

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