チャプター 55

五時間。シルヴィが陣痛に苦しみ始めてから、もう五時間という長い時間が経っていた。最初の三時間は、苦しむ彼女を見ていることしかできず、俺はただその手を握りしめていた。四時間目に入ると痛みは耐え難いものになり、シルヴィは硬膜外麻酔(エピドラル)を打つことにした。医師が彼女の背中に針を刺す間、俺はシルヴィを抱きしめた。両親学級で習ってはいたし、シルヴィ自身が望んだことだと分かってはいても、それを見ているのは辛かった。俺は代わりに、シルヴィの耳元に顔を寄せ、励ましの言葉を囁くことにした。処置が終わると、シルヴィは少し休むことができた。俺たちの産科医であるロス先生は、シルヴィには次の段階――つまり出産そ...

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