第12章

「澄子、山崎川は公の場で浮気相手を連れ出し、さらに私たちと首飾りの競り合いをするなんて、完全にあなたを侮辱しているわ。山崎奥様の体面なんて少しも考えていないのよ」

「澄子、前から言っているでしょう、早く離婚するべきだって」

江口琛は憤慨して言った。

秋山美羽も同感だった。山崎川はまさに目が見えていない。この浮気相手のどこが林田澄子に勝るというのだろう。

「そうよ、琛の言う通りよ。早く離婚して、苦しみから解放されるべきよ」

林田澄子はため息をつき、以前のように断固として否定することはなく、明らかに態度が軟化していた。

「もういいの、私が何とかするから」

そう言うと、林田澄子は席を...

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