第16章

チャリティーディナーが終わった後、江口琛はまず秋山美羽を家まで車で送り、それから林田澄子を送った。

林田澄子は今日半日勤務をこなし、そのまま休む間もなくパーティーに参加したため、非常に疲れていた。

助手席に座ったまま、いつの間にか彼女は眠りに落ちていた。

江口琛は山崎家の別荘の前に車を停めた。

眉間がゆるみ、呼吸が静かで、とても気持ちよさそうに眠る林田澄子を見て、江口琛はどうしても起こす気になれなかった。

彼は林田澄子が寒くならないよう、車のエンジンさえ切らず、車内の暖房もつけたままにしていた。

その間、林田澄子が身体を縮こませているのに気づき、後部座席からブランケットを取り出し...

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