第18章

午後、林田澄子はほぼ回復していた。彼女は江口琛の引き止めを振り切って、退院手続きを済ませた。

しかし江口琛のくどくどとした説得に負け、彼に送ってもらって自宅で休むことを承諾した。

「琛、もう大丈夫だから、先に帰ってよ」

「夕食買ってくるよ。お粥でいい?断るのは禁止だからね。断ったら美羽に言いつけて、一緒に説教させるから」江口琛はまだ林田澄子のことが心配で仕方なかった。

林田澄子は秋山美羽の小言を思い浮かべ、頭を抱えた。

自分の平穏のために、彼女は仕方なく江口琛の申し出を受け入れた。

「わかったわ。あまり濃くないものにして」

江口琛はOKのポーズをして見せた。

「横になっていて...

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