第22章

林田澄子は頭を振った。

「彼は同意してくれなかったわ。ちゃんと考える時間をくれただけ。でも、離婚は私たち二人だけの問題じゃないって指摘されたの。家族の利益にも関わることだから、両親が真っ先に反対するだろうって」

彼女はため息をついて続けた。

「この数日冷静になって、いろいろ考えたわ。離婚を切り出したのは、少し感情的だったかもしれない」

秋山美羽は憤然として言った。

「あなたは林田家のために十分犠牲になってきたじゃない。まだ一生縛り付けられるつもり?あの山崎川はあなたに冷たくて薄情な男よ。だからこそあなたを簡単に操れるんだわ」

秋山美羽は心の中でわかっていた。ビジネス上の政略結婚は...

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