第31章

「林田澄子、なぜここにいるんだ?さっきの男は誰だ?」

藤井海は藤原南がうっかりぶつかった相手だった。彼は怒り心頭でプライベートルームに駆け込み、林田澄子を指さして問い詰めた。

酒が入った林田澄子は、簡単に言いくるめられるタイプではなかった。

「あなた、私の何なの?よく口出しするわね」

「酔ってるのか?送っていくよ」

藤井海は林田澄子が酔いで意識がはっきりしていないのを見て、怒りが半分ほど収まった。

彼は二人の美しい女性がバーにいるのは危険だと心配し、親切心から送っていくことを申し出た。

ところが、林田澄子は強く反対した。

「いやよ、あなたに送ってもらうなんて。下心見え見えよ。...

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