第34章

林田澄子は食事中に携帯が鳴った。ディスプレイを一瞥してから、また元の場所に戻した。

しばらくして、再び携帯が鳴り出した。

林田澄子はやはり出なかった。右側に座っていた江口琛が興味深そうに身を乗り出して覗き込んだ。

「なんで出ないの?まさか山崎川からじゃないよね?」

左側の秋山美羽も話に加わろうとした。

林田澄子は携帯の画面を二人に見せた。

二人の顔には思わず驚きの色が浮かんだ。江口琛は首を傾げた。

「藤井海の野郎、お前のこと嫌いなんじゃなかったのか?なんで電話してくるんだ?」

林田澄子は出るつもりもなく、携帯をテーブルに戻した。

「さあね、あの連中は皆頭がおかしいのよ」

...

ログインして続きを読む