第37章
「山崎川?」林田澄子は両手を彼の胸に当て、山崎川から漂うアルコールの匂いを嗅いだ。
「お酒を飲んだの?」
「林田澄子……」山崎川は目を伏せて彼女を見つめた。
「随分と大胆になったな、本当に大胆に……」
彼の話し方から、林田澄子は彼がかなり飲んでいることがわかった。
寝室のドアは開いていて、廊下の明かりが差し込み、山崎川はかろうじて林田澄子の顔を見ることができた。
彼の指の甲が林田澄子の肌を撫で、普段は冷たい眼差しが今は幾分か霞んでいた。
「林田澄子、よくも……」
林田澄子は彼を押しのけようとした。
「酔ってるわ」
「酔ってなどいない」男は突然彼女の手首を掴み、頭上で拘束し...
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