第38章

林田澄子が目を覚ました時、秋山美羽が来ていることに気づいた。

「琛があなたに電話したの?」林田澄子は枕に顔を埋めたまま、少しかすれた声で言った。

秋山美羽はベッドの縁に座り、彼女の額に手を当てた。

「熱はないわね。あなた、こんな状態なのに、病気になっても私に一言も言わないつもり?」

林田澄子が少し動いた瞬間、秋山美羽は彼女の首筋に付いたキスマークを見てしまった。

彼女が思わず声を上げると、林田澄子はようやく気づき、全身に残された痕跡を思い出して、急いで布団を引き上げた。

「あなた、あなたたち、山崎川は...」秋山美羽はそれ以上言葉を続けられなかった。

やはり夫婦なのだから。

...

ログインして続きを読む