第40章

山崎川は彼女を部屋に抱き戻り、ベッドの上に静かに寝かせた。

林田澄子はベッドの縁を掴んで立ち上がろうとした。

「わたし、ソファで寝るわ」

山崎川はベッドの横に立ち、片手で彼女の肩を押さえつけた。

「ベッドで寝ろ」

林田澄子は顔を上げて彼を見つめた。

「嫌だと言ってるのに、また無理強いするつもり?」

昨夜も、彼女はこんな風に澄んだ瞳で彼を見つめ、手を放すよう言ったのだ。

山崎川の胸の奥がなぜか疼き、慌てて視線をそらした。

「昨日のことは...酔ってたんだ」

「酔ってた?」林田澄子はそんな言い訳を信じなかった。

「本当に泥酔してたなら、夫婦の営みどころか立つこともできないは...

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