第42章

藤井海は思いもよらなかった。林田澄子が柏原朝陽の顔すら立てないとは。

柏原朝陽は特に不機嫌になることもなく、ただ「じゃあ、忙しいなら行って来なさい」と言った。

柏原朝陽の前では、藤井海もそれ以上何も言えなかった。

彼は車で柏原朝陽をレストランに連れて行き、途中で山崎川に電話をかけた。

レストランに着くと、山崎川が彼らよりも先に到着していることがわかった。

山崎川は一人ではなく、隣には愛らしく可愛らしい女の子が座っていた。

彼女は山崎川に何かを話して笑っていた。

柏原朝陽は眉をひそめた。山崎川は立ち上がり、彼と握手を交わした。

三人が席に着くと、柏原朝陽が尋ねる前に、山本桜が先...

ログインして続きを読む