第25章

春 POV

私はあまりよく眠れず、朝早く目が覚めた。部屋で少し株式市場を見てから、父が食事をする時間だろうと思い、部屋を出てダイニングルームへ向かった。

案の定、藤原真一はすでに長テーブルの端に座り、執事の白石さんがナプキンを広げていた。

「お父様、おはようございます」と私は挨拶した。

「おぉ、春、昨夜帰ってきたのか?」

「ええ、遅くなったので、お邪魔しませんでした」

私は父の右側の席に座った。

執事はすでにナイフとフォークを用意してくれていた。すぐに、ベネディクトエッグとチーズの盛り合わせが私の前に置かれた。

真一が一杯酒を飲み、私は眉をひそめた。

「お父様、平沢さんから...

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