第27章

サラ POV

私は小原さんがより深刻な心臓疾患を抱えている可能性があると推測し、来週月曜日に冠動脈血管造影の予約を入れた。

この知らせを小原さんに伝えると、すでに垂れ下がっていた彼の頬がさらに沈み込んだ。傍らに座っていた小原さんの奥さんは彼の腕をさすりながら「ずっとあなたに付き添うわ。結婚記念日をどこで過ごしても構わないわ、あなたと一緒にいられれば」と慰めていた。

昼時、資料室から借りてきた心臓学の学術雑誌を手に食堂に入った。適当に一番近いカウンターでパスタを注文し、空いているテーブルに座った。

突然、誰かが私の前に飛び出してきて、興奮した様子で挨拶してきた。

「ねえ、サラ、向かい...

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