第69章

藤原春 POV

隆が軟禁されている俺の部屋に飛び込んできて、サラが攫われたと叫んだ!

「九条由美からたった今電話があった。詳しいことは彼女に聞ける」彼は俺に携帯を差し出した。

ダニエルが手で合図して全員を下がらせると、隆は俺と視線を交わし、部屋を出て行った。扉は再び固く閉ざされた。

俺は九条由美の番号をダイヤルしながら、ダニエルの鋭い視線に気づき、ソファ前のローテーブルに携帯を置いてスピーカーフォンをオンにした。

由美はすぐに出た。「春、あなたなの?どこにいるの?大丈夫?」

俺は苛立ちを隠さずに言った。「俺は大丈夫だ、心配するな。サラが攫われたってどういうことだ?」

「ええ、昨...

ログインして続きを読む