第81章

藤原春 POV

ボゴタから戻って以来、サラはまるで別人のようになった。以前にも増して自信に満ち、落ち着きを払い、仕事にもより一層打ち込んでいる。そして、俺に対する態度も率直で明確なものへと変わった。

ロサンゼルスに帰ってから、俺たちは一度もデートをしていない。ましてや、抱き合って夜を明かしたことなど、あるはずもなかった。

俺は病院での勤務時間を大切にしている。そこが、彼女に会える可能性のある、ほぼ唯一の機会だからだ。

サラと遠くから視線が交わっても、彼女は以前のように俺の視線から逃げることはなくなった。堂々と微笑み返し、俺の熱い視線に応えてくれる。時には、周りに誰もいないのを見計らっ...

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