第84章

藤原サラ POV

私はエミリが滞在するマウンテン・ハイ・リゾートへやって来て、彼女の心理カウンセラーであるジョーダン・マーフィー先生と知り合い、彼らともう一人の、私と同じ役割の協力者を待っていた。

何を話せばいいのか分からず、気まずい沈黙が流れる中、その人物は現れた。

外から入ってくる長身の影を見た瞬間、私は危うく手に持っていたコーヒーカップを滑り落とすところだった。

春！彼がもう一人の協力者だなんて！

ジュリーはいったいどうやって彼を説得し、エミリを助けるためにここへ来させたのだろう。まさか、私たちの父である真一を通して、春に命令を下したとか？

エミリが嬉しそうに駆け寄り、春に...