第90章

藤原サラPOV

私はソファに横たわり、春がそばに座っていた。「怪我は?」

「頭が痛いの。野球バットで殴られて。ここよ」自分の後頭部に触れると、こぶが一つできていた。幸い、血は出ていない。

春はすぐに冷蔵庫からアイスパックを取り出し、私に手渡してくれた。

けれど、アイスパックを手に取った瞬間、自分の手が燃えるように熱いことに気づいた。

手だけじゃない。全身が火照っている。熱くて、熱くて、服を脱ぎ捨てたい。いっそ全身の皮を剝いでしまいたいほどだった。

私はアイスパックを胸に押し当てた。春は呆然としている。「何してるんだ?だめだ、アイスパックは冷たすぎる。心臓に悪い」

彼がアイスパッ...

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