第92章

藤原春 POV

社長室へ向かうと、すでにロリー・バーナーズが待っていた。

「久しぶりだな、春」

「久しぶり、ロリー」俺はロリーと抱き合った。

「今回俺を呼んだってことは、何か大きな事件でも起きるのか?」ロリーは整った白い歯を見せ、ハンサムな笑みを浮かべた。「君がロサンゼルスに戻ってきたと聞いてから、ずっと待ってたんだ。藤原家に関する長編記事が書ける日をな」

「ずいぶん前から、俺がやるべきことを予測してたんじゃないか?」俺は彼のためにブランデーをグラスに半分ほど注ぎ、手渡した。

ロリーは俺をちらりと見る。「違うのか?俺は面白いショーが始まるのを待っているんだが。演目は何になるんだ、...

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