第93章

ロリー・バーナーズPOV

俺は社会派ニュースの記者だ。もちろん、ロサンゼルスで一番好きな取材は芸能ニュース。この活気あふれる街では、毎日俺を興奮させるニュースが起きている。

藤原春と出会ったのは、俺がまだ十五歳の時だった。

サッカー場で群れていた少年たちと衝突し、彼らの拳の下で死にかけたその時、突然、俺よりも背の高い少年が野球バットを振り回して飛び込んできて、全員を追い払ってくれたのだ。

地面から俺を引っ張り起こした彼が放った第一声は、なんと「これから、一緒にサッカーしてくれないか?」だった。

後に知ったことだが、春はそれほどまでに孤独な少年だったのだ。

そして今、親友がついにロ...

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