第155章:イーサン・ファッキング・ジーナのビデオがあります

ライラ視点

胃の奥から酸っぱいものがこみ上げ、飲んだばかりのシャンパンを戻してしまいそうになった。膝から力が抜けそうになる私を、ベンジャミンが素早く支え、人目のつかない隅へと導いてくれる。

「深呼吸するんだ」彼の指示する声は、耳鳴りの向こう側から響いてくるように遠く感じられた。

イーサンが最初に浮気を告白した時、これ以上ないどん底だと思った。でも、それは間違いだった。私が自宅に招き入れ、あろうことか『心を許していた』相手が……私が妊娠している間に婚約者と寝ていた張本人だったなんて。これこそが、真のどん底だ。

「どうして?」私はベンジャミンにというより、自分自身に問いかけるように囁いた。...

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