第31話ストリッパーみたいに安い

ライラ視点

薄いカーテン越しに朝日が差し込み、ベッドの向かいの壁に柔らかな光の模様を描き出している。その温もりが私を眠りから誘い出そうとするが、目は頑として開こうとしなかった。私は夢と現(うつつ)の狭間、記憶と想像が溶け合うあいまいで心地よいまどろみの中に留まっていたかった。

昨夜。ああ、神様。昨夜のことだ。

断片的な記憶が脳裏をよぎり、カッと頬が熱くなる。ベッドに大の字になった私。まだ仕事着のままだった。自分の体をまさぐる手。ピンクのバイブレーター。そして――ドアのところに立っていたイーサン。私が完全に乱れ、果てる瞬間を、その強烈な瞳で見つめていた彼。あの時の恥ずかしさが再び押し寄せ、...

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