第62話おっと、逃げている間に捕まってしまった

ライラ視点

朝食の時、彼がいかに疲れ切っていたかを思い出していた。一睡もしないまま夜を明かしたのだから、すぐにでもダウンしてしまうはずだ。私はただ、その時をじっと待てばいい。

私はイーサンの屋敷の住所をルーカスに手早くメッセージで送り、こう付け加えた。『やっぱりあなたが迎えに来てくれる? あとで説明するから』

すぐに返信が来た。『もちろん。11時に会おう』

それからの1時間、私は本を読むふりをしながら、廊下の向かいにあるイーサンの部屋の物音に耳を澄ませ続けた。ようやく10時頃、ドアがカチリと閉まる音がした。

彼が眠りに落ちるまで15分待ち、それから寝室の窓へと忍び寄った。眼下には円形...

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