第78話もう私を騙さないで

ライラ視点

私はセバスチャンからノアへと視線を走らせ、どちらかが前に出て、事態がこれ以上悪化する前に割って入ってくれるのを待った。だが、二人は身じろぎもせず、その顔には諦めの色が濃く浮かんでいた。今、兄弟の間に割って入るべきではないと悟っているのだ。

「お前の存在そのものがだ!」ルークは叫び、拘束を解こうと激しく身をよじった。切れた唇から、言葉を発するたびに血が飛び散る。「俺の人生も、セバスチャンの人生も……お前が現れるまではすべて完璧だったんだ! お前が生まれたあの日から、親父も、爺さんも、母さんでさえ、俺やセバスチャンなんて二度と見向きもしなくなった。お前なんて間違いだ、クズだ! 大っ...

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