第6章
心臓が激しく鼓動を始めた。
「どういうこと?」
高橋有希は藤井景の存在を完全に無視して話し続けた。
「心臓発作は自然なものじゃなかった。藤井景が彼の薬に何かを混ぜたの。クレジットカードの記録も、購入履歴もあるわ」
「高橋さん」
藤井景が穏やかに遮った。
「混乱しているようですね。頭の怪我が――」
「あなたがよく体調を崩していた頃の血液検査の結果もあるわ、藤井杏。いつもどれだけ疲れていたか覚えてる?頭がはっきりしなかったでしょう?」
まさか。彼はずっと私に薬を盛っていたんだ。
「それはただの定期健診の医療記録ですよ」
藤井景が言った。
「そんなものを勝手に――」...
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チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章

5. 第5章

6. 第6章

7. 第7章

8. 第8章

9. 第9章


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