ストーリー・フォー・ア・ストーリー

ケイン

今、アメリアはテーブルにつき、癒し手に診てもらっている。年長の狼が強壮剤や薬草の入った鞄を携えてやって来た。その中に、番の痛みに効く薬はあるのだろうか、と俺は自問する。アメリアが苦しむのは見たくない。だが、俺が考案した治療計画も、完全に嫌いというわけではなかった。

いや、本当は嫌なんだ。彼女を楽にするために、俺が誓ったすべてに背いた。自分自身を裏切ったような気分だ。彼女の恍惚とした表情、そして俺をあれほど硬くさせた様は、認めたくはないが、彼女の痛みを取り除いてやるのが、よほど好きだったことを示している。

罪悪感を溺れさせるほどには。

だが、永遠にアメリアを喜ばせることは、彼女を危...

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