私たちを解放する真実

ケイン

彼女の姿にただ見惚れているべきだった。だが、今、彼女を抱きしめ、その柔らかな唇を己のものとしながら俺が感じていたのは、ただただ己にのしかかる重圧だけだった。俺の一部と化すほど深く埋めた秘密の重みだ。

彼女の口づけは約束の味がした。決して手に入れることなど許されないと思っていた、未来の味がした。俺は彼女の腰に手を滑らせて強く引き寄せ、一瞬、その温もりと、求める気持ちと、彼女が与えてくれる安心感に身を委ねようとした。だが、罪悪感がより鋭くこみ上げ、すべてを台無しにする苦い後味を残した。

俺は身を引き、荒い息をつきながら、彼女の額に自分の額を押し当てた。彼女の瞳がゆっくりと開かれる。まだ...

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