欲望の重み

ネイサン

俺はルサーンのベッドのそばにある椅子に座り、彼女の胸がゆっくりと上下するのをただ見つめていた。抜糸は済んだが、傷痕は残った。赤く腫れ上がった太い線が、今では彼女の肌を醜く刻んでいる。顔の脇を走る一本は、あと少しで彼女の目を奪うところだった。

あいつは千回殺されても足りない。

その傷を見るたび、腹の底で怒りが燻る。だが同時に、彼女は俺が今まで見た中で最も美しい雌狼だった。体に何があろうと構わない。どれだけ切り傷があろうと気にしない。

彼女がいると、家に帰ってきたような気がするんだ。

彼女は、俺のものだと感じる。

ただ、彼女自身にそれを分かってほしい。どうすればいいのか、俺には分から...

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