ザ・プール・メンバーズ

ケイン

肌にはまだ煙の匂いがこびりつき、腕では血がどす黒く乾き始めていた。だが、そんなことはどうでもよかった。悪臭も、傷の疼きも、外に鎖で繋いだはぐれ者も。俺が感じられるのは、絆を通して伝わってくるアメリアの恐怖だけだった。それは鋭く、容赦なく、俺の心をかき乱し続けていた。

山の内部を影のように駆け抜け、勢いよく角を曲がった拍子に肩を石壁に叩きつけたが、痛みはほとんど感じなかった。そこで、危うくルセインに突っ込むところだった。

彼女はびくりと体を震わせ、俺の姿を認めると目を大きく見開いて凍りついた。「ネイサンは……」声がかすれた。「彼は、大丈夫なの?」

「ああ」俺は速度もほとんど落とさず、...

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