機会を逃した悪夢

アメリア

今や何者でもなくなったリンダとかいう医者に跨り、その怯えきった顔を見下ろしている。彼女は助けを求めて悲鳴を上げ、慈悲を乞うが、私にそんなものはない。彼女が持っていたあの忌々しい注射針を、何度もその眼球に突き刺していく。助けを求める彼女の悲鳴とともに、血飛沫が上がる。

座っていた隅っこで、はっと目を覚ました。どうやら白昼夢を見ているうちに眠ってしまい、それが夢にまで持ち越されたらしい。最初はパニックに陥った。恐怖が忍び寄り、夢の内容を一つ一つ吟味して、それが現実ではないことを確かめようとする。そんなはずはない。部屋に血痕は見当たらないし、夢の中では間違いなく血まみれだったのだから。...

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