第10話

テッサは俺より先に眠りに落ち、俺はつい彼女の寝顔に見入ってしまった。この新しい家で、これほど安らかに眠るとは。驚きだった。環境の変化に戸惑うかと思っていたが、彼女はあっさりと眠りについたのだ。

『アルファ』ケイドからマインドリンクが入った。

『どうした?』俺は尋ねた。

『東の境界付近で少々問題が。はぐれ狼(ローグ)たちがいますが、こちらの領地に侵入しようとはしていません。ただ後ろに下がって監視しているようです。まるで我々を挑発しているかのように』ケイドが説明した。

『監視を続けろ。何か動きがあれば知らせろ』俺はそう命じ、リンクを切った。

俺は体勢を整え、もう少しだけ映画を観てから、よ...

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