ニコライ²

その叫び声は、今まで一度も聞いたことのない類のものだった。人間の悲鳴ではない。ヴァンパイアの鬨の声でもない。

純粋で、生々しい恐怖そのものの音色が、大気の構造そのものを引き裂くかのように響き渡り、膝が砕けるほどの衝撃で俺を打ちのめした。一瞬、俺をその場に縫い付けたが、すぐに全てが押し寄せ、強烈な感覚が俺を包み込み、思考を混乱の渦に突き落とした。

その感覚は即座に、そして圧倒的だった。まるで冷たく暗い川に沈められたかのようだ。俺の奥深くに眠る何かを揺さぶり、骨の髄まで震わせる、根源的な琴線に触れる音だった。

俺が受けた訓練も、ザビエル大尉から叩き込まれた自己防衛の教訓も、行動する前に考えろ...

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